瀬島龍三

瀬島龍三氏のことを知ったのは、10年前に観たTV。
大本営に参謀として勤務し、その後伊藤忠、臨調で活躍されたことに興味を持って、30分の番組だったのを録画して繰り返し観たことを思い出した。

瀬島龍三 日本の証言―新・平成日本のよふけスペシャル

瀬島龍三 日本の証言―新・平成日本のよふけスペシャル


幾山河―瀬島龍三回想録

幾山河―瀬島龍三回想録



瀬島龍三氏に関する本、回顧録と第三者から観た瀬島氏の本を図書館で借りて読んだ。(港区の図書館は素晴らし使いやすい)

特に興味深かった点をいくつか。
山本五十六は名将か。
 連合艦隊司令官の山本五十六提督は、どうやら一般的に言われている人物像とはことなるらしい。瀬島氏は回顧録で素晴らしい方と書かれているのに対して、新井氏は海軍次官だったころ新橋で芸者遊びをよくしていたらしい。
 それに対して、東条英機氏は極悪人のレッテルを貼られているが、瀬島氏も新井氏も部下を気遣うとても優 しい方だったと記している。東条氏が首相と陸軍大臣を兼務していたとき、深夜でも早朝でも軍服を着て対応したらしい。しかも、東条夫人は、首相官邸に来られた軍人のブーツのよごれを見て磨いてくださったこともあったそうだ。

②嘘か真実か。
 瀬島氏はとても若い時に参謀本部勤務になったエリート。作戦実行の責任決定に関しては権限が小さかったと思うが、戦略について作戦課に在籍していたのだから理解していたはずだと思料するが、瀬島氏は自分に分が悪いと思われることについて口を閉ざしていたようだ。嘘はつかないが、自ら話すこともない。
戦争と言う残酷な経験、その後の11年のシベリア抑留はとても堪えたと思う。
 彼なりに社会を上手く、ストレスを軽減して生きる為に嘘をつかない。でも言葉数は少ない術を身に付けたのかもしれない。
 戦争について考え、戦友を想い、敬い、尊び、戦没者の活動に尽力されたのだと思う。


瀬島氏は、小生が尊敬する加藤寛先生と一緒に臨調の活動を一緒にされた功労者だ。国鉄解体、電電公社解体など、民営化事業を推進されてこられた。
私が学生の頃、加藤先生がおっしゃっていたことで思い出すのは、長期で考えることだった。将来どうなりたいか、よく考えるようによく言われ、学生時代の4年間を過ごした。よき思い出である。

土光、瀬島、加藤のような人間に自分も将来奉公できたらと思う。



転進瀬島龍三の「遺言」

転進瀬島龍三の「遺言」

瀬島龍三がモデルと言われている、山崎豊子著「不毛地帯」は読み応えがある。

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))